2014年9月19日金曜日

刃物を砥ぐ ━━(☆∀☆)━━!!! 〜文系・未経験者の新人が綴るシリーズ

金属を加工するというのは大変なことです。

加工する道具(工具)も加工される材(ワーク)も、常に互いをすり減らしています

経費節約を「心がけ」とする場合、工具の消耗を抑えるということは製造業では「戦略」たりうるほど深刻なテーマです。時に製作課程で工具の消耗が激しすぎて製品の採算がとれないということもございます。 


転じて工具を修繕することも、重要な作業の一つです。 
毎度毎度買い換えると費用がかさみますし、ちょっと整っているかいないかで加工精度や加工時間にまで影響します。 切れない包丁を使うとさくさくゆかず、具が不揃いになりやすいのと同じです。


弊社では鉄の板から自分たちで刃をつけた小刀を常用しています。ワークを固定する両面テープを切る際など、市販のカッターよりも小気味のよいこと。。。 






工具整備の基本として、入社後にまず教えていただいたのがこの小刀の砥ぎです。プラスチック製品の仕上げにはよく砥がれたカンナや彫刻刀が欠かせないので、大事な作業に関わる技術なのです。 

刀の砥ぎにはさまざまな種類の砥石を使います。 






まず表面にある大小の傷や凹凸を粗めの砥石でごっそり砥ぎ落とします。 

(ここで粗さが足りないと浅い凹凸しかなくなってゆかず、深いものを取るのには難渋します。粗さが合うとも砥石側に硬さがそもそも足りない場合、これもほぼ削れてゆきません。そういった意味で砥石と刃物には相性というものがあります。それらを使い分けしています。) 

凹凸がとれて均一になったら、次に目の細かい砥石で磨きます。 
こうすることで、より微細な凹凸がとれてゆきます。 

以上を繰り返した刃物の深い輝きは、えも言われぬ美しさ。 






砥ぎ方は、力加減や力を均一に伝える心がけ、角度を一定にするための持ち方や姿勢などさまざまなことに気を配らなければならないのですが、結局は無心に研ぐのが一番いいという気がしています。 
「ごーしーごーしー」と呼吸を合わせながら心地よいリズムを奏でるこの作業が僕は大好きです。 



余談ですが、瞑想というと、座禅のような静的なもののみならず、岩の上を歩いたり歌ったり踊ったりというような動的なものも当てはまるのだそうですが、まさに刃物砥ぎはその一つだと思います。 
特に刃は「邪を祓(はら)うもの」とされてきたもの。(これも以前の民族舞踊の達人の方の啓示)
この作業の後は気分がとっても爽かです♪ 


次回はドリルの研ぎについて書かせていただきたいと思います。 
(研ぎ)愛は止まらない。



室田 完